販売員として、ちょっと言いづらい悩みがあります。
私は、お客様の顔を覚えるのが苦手です(笑)。
そして、以前何を購入してくださったのかも、けっこう忘れてしまいます。
長く販売員をしているのに、です。
だから、ときどきお客様にも正直にお伝えしています。
「私、顔を忘れてしまうことがあるので、次回来られたときは、“前に推し活用のコーデを選んでもらった”とか、“親戚の家に行く服を一緒に選んでもらった”とか、そのときのエピソードを先に話してくださいね」
なぜなら私は、エピソードを聞くと、
「あーー!あのときの!」
と、そこから記憶が戻ってくることが多いからです。
不思議なことに、顔は一番あと(笑)。
「前回来られましたよね?」
先日、3人連れのお客様が来店されました。
最初はお顔をしっかり見ていたわけではなく、店内のスウェットパンツをご覧になっていたので、お声をかけました。
年中履けるタイプを手にお持ちだったため、
「こちら、夏用もありますよ」
と声をかけました。
そのとき、ふとお一人のお顔を見て——
「あっ!」
と思い出しました。
「前回来られましたよね〜?」
そうお声をかけると、お客様も嬉しそうに、
「そうなの!いつも見てもらっているのよ」
と、一緒に来られていたお二人に私のことを紹介してくださいました。
その言葉が、とても嬉しかったです。
商品は忘れているのに、会話は覚えている
前回、お客様は仕事帰りにお一人で来店されていました。
黒のストレートパンツにポロシャツ。
少しお疲れのようにも見えて、最初にお声をかけたときはあまり反応がありませんでした。
「今日はあまり声をかけない方がいいのかな」
そう思って、しばらくご自身でゆっくり店内を見ていただくことにしました。
すると、一通り見終わった頃、お客様の方から相談してくださいました。
そのときお話しされていたことは、今でも覚えています。
「お化粧もしっかりして、そのとき選んだ服でおしゃれして、きれいでいたい」
そして、普段はあまり履かないというグリーンのセミワイドパンツにも挑戦してくださいました。
ところが——。
今回は、
「前回、私に似合うとおすすめしてくれたから!」
とニットベストを選んでくださったのですが……
すみません。私はそのニットベストをおすすめしたことを覚えていませんでした(笑)。
ほかにもトップスを何枚か購入してくださったはずなのですが、それもかなり曖昧です。
なのに、
仕事帰りだったこと。
その日の服装。
最初はあまり反応がなかったこと。
お客様の方から相談してくださったこと。
普段なら選ばないグリーンのセミワイドパンツに挑戦されたこと。
そして、「おしゃれして、きれいでいたい」と話してくださったこと。
こういうことは覚えているんです。
「だから、いつも教えてもらうのよ」
今回のご来店では、娘さんの服選びのお手伝いをしました。
夏用のスウェットパンツに合わせて、短丈Tシャツを数枚ご紹介。
さらに、インナーに裾レースのタンクトップを合わせる着こなしをご提案すると、娘さんよりも、お母さまとおばあさまの方が盛り上がっていました(笑)。
娘さんは口数が少なく、普段からあまり試着をされないそうで、この日も試着はされませんでした。
それでも、夏用のスウェットパンツと、コーディネートでご紹介した裾レースのタンクトップを選んでくださいました。
そんなとき、おばあさまが、
「私らには、こんな着こなし方わからんわ」
と、ひとり言のようにポツリ。
すると、お母さまが、
「だから、いつも教えてもらうのよ」
と言ってくださいました。
さらに、
「今日もこの店で買った服を着てこようと思ったけど、恥ずかしいからやめた(笑)」
とのこと。
これ、お客様あるあるなのかもしれません。
「この店で買った服を着てる〜って、店員さんに思われたら恥ずかしい」
そんな気持ちがあるようです。
でも販売員の私は、
「えー!着てきてくださいよー。見たかったです!」
と即答(笑)。
以前一緒に選んだ服を着て来店してくださるなんて、販売員としてはむしろ嬉しいものなんです!
私は「エピソード」でお客様を覚えているのかもしれない
今回の接客を振り返りながら、ひとつ気づいたことがあります。
私は、お客様のことを覚えていないわけではないのかもしれません。
覚え方が、少し違うだけ。
顔や、購入された商品の一覧から記憶するのではなく、
「どんなことで悩んでいたか」
「どんな話をしたか」
「そのとき何を着ていたか」
「どんな服に挑戦したか」
そんなエピソードから記憶をたどっているようです。
エピソードを聞く。
会話を思い出す。
そのときの服装が浮かぶ。
提案したコーデが出てくる。
そして最後に——
顔がつながる(笑)。
これが、どうやら私の記憶の順番みたいです。
販売員のみなさんは、どうやって覚えていますか?
顔。
名前。
サイズ。
購入された商品。
好み。
以前交わした会話。
販売員によって、お客様を思い出す「入口」は違うのかもしれません。
私は今回、自分がエピソードからお客様を思い出していることに初めて気づきました。
とはいえ、顔や購入商品をもっと覚えられたらいいのにな、と思うこともあります。
そこで、同じ販売員のみなさんに聞いてみたいです。
みなさんは、お客様の何をきっかけに思い出しますか?
そして、顔や購入商品を覚えるのが得意な方。
何かコツがあれば、ぜひ教えてください(笑)。
今回、自分は「エピソード」から記憶をたどっているんだと気づきました。
でも、顔や購入商品も、もう少し覚えられるようになりたい!
私もまだまだ、自分に合った「お客様の覚え方」を探しているところです。
ちなみに最近は、こうして接客であったことをブログに書くようになりました。
書きながら「あ、そういえばこんな会話もした!」と思い出すことも多いので、これも私には合った覚え方なのかもしれません。
それでもやっぱり——
顔は一番あとです(笑)。

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