9月に入り、会社としては新年度がスタートしました。
私も「よし、今日からまた新しい気持ちで頑張ろう!」なんて思いながら出勤したのですが……
暇。
「暇すぎる」新年度初日
びっくりするくらい暇でした(笑)。
午前中に売れたのは、セールの帽子が1点。
接客をしてもなかなか購入にはつながらず、小物が少し動く程度。
普段は接客をしていることが多い私が作業をしていると、社員さんから、
「araponさんが作業している姿、レアすぎるー!」
なんて言われるほどでした(笑)。
「俺、体が大きいからサイズないんちゃう?」
そんな中、一人の男性が入店されました。
黒っぽい服でまとめた、体格のいい男性。
店内を遠い目で見ながら、ゆっくり一周。
この人は何を求めているんだろう……。
少し様子を見ていると、Tシャツの前で足が止まり、商品を触り始めました。
そこで、
「こちら、2種類ありますよ。人気でサイズも欠けてきています」
と声を掛けてみました。
すると男性は笑いながら、
「俺、体が大きいからサイズないんちゃう?」
と。
背中側から肩幅を合わせてみると、ジャストサイズで着るならギリギリいけそう。生地にも伸縮性があります。
「一度、試着されますか?」
とおすすめしたのですが、
「まあ……ええわ」
という感じ。
ところが、そのまま今度はジーンズを見始めました。
話を聞くと、普段は仕事着で過ごすことが多く、
「普段着なんてほとんど着ない」とのこと。
さらに、
「ジーンズはいっぱい持ってる」
とも。
ん??(笑)
でも、そこから少しずつ好みが見えてきました。
体が大きいから、パンツはゆったりしたサイズがいい。
ルーズなシルエットの方が履きやすい。
でも、ストレッチが効きすぎているパンツは、
「自分を甘やかしすぎている感じがして嫌」
なのだそう。
普段は黒っぽい服が多いことも分かりました。
そこで私が選んだのが、2本のパンツ。
ひとつは、ヨーロッパブランドのグレーのペインターパンツ。
黒のトップスとの相性がよく、ジーンズほど生地も厚くない。しかも半額になっていました。
もうひとつは、夏用の濃紺のイージーペインターパンツ。
今からしばらく履けて、濃い色なので全体もすっきり見えます。
Tシャツと合わせて、とりあえず試着してもらおう。
そう思っていたら、
試着なしで「3点もらうわ!」
「3点もらうわ!」
「……へっ??」
思わず聞き返しそうになりました(笑)。
試着していません。
「パンツ2本とTシャツ、試着されなくて大丈夫ですか?」
ともう一度確認しましたが、
「ええんや」
と、そのまま3点購入してくださいました。
聞けば、その日はうちの店を目当てに来られたわけではありませんでした。
別のお店へサンダルを見に来たものの、欲しいものがなかったので、ふらっと立ち寄ってくださったそうです。
朝からなかなか売れず、接客しても購入につながらない。
「今日は厳しいなぁ……」
そんな空気の中に現れたお客様。
もう私には、神様に見えました(笑)。
「ありがとうございます!!」と拝みたいくらい。
でも、今日のことを振り返って思います。
暇な時間が長くなると、販売員だって気持ちが少しずつ下がってきます。
「今日も決まらないかも」
「この人も見るだけかな」
そんな気持ちになってしまうこともある。
でも、次に入ってきたお客様がどんな方なのかは、まだ分からない。
サンダルを探しに来ただけだった人が、ふらっと店に入り、Tシャツを触る。
そこから会話が始まって、3点のお買い物につながることだってある。
だからやっぱり、売れない時間が続いても、その次のお客様まで諦めない。
「見るだけかな」とこちらが先に決めつけず、そのお客様をちゃんと見る。
今日の“神様”に、そんなことを教えてもらった新年度初日でした(笑)。
3点売れても、反省点がありました
……と、ここまで書いていて、今さら気づきました。
私、なんで黒のパンツをおすすめしなかったんだろう。
「体が大きくなってきたから白は着ない」
「普段は黒っぽい服が多い」
そこまで聞いていたのに(笑)。
グレーと濃紺をおすすめしたことに後悔はありません。
でも、いつもの自分に取り入れやすい黒も選択肢としてお見せしていたら……。
もしかしたら、もう1本買ってくださっていたかもしれない。
3点も購入していただいて「神様!」なんて喜んでいたけれど、接客って、終わってから気づくこともあります。
最後まで諦めない。
そして、売れた接客ほど振り返る。
……神様、次に来てくださったら黒パンツも用意しておきます(笑)。


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